「年齢」と「体重」を入力し、「運動習慣の強度」を選ぶだけで、運動習慣の強度別に必要な1日のタンパク質の摂取量が自動で計算できるツールです。
筋肉を増やしたくて運動や筋トレを頑張っているのに、体内のタンパク質が不足してしまうと、せっかく頑張って付けた筋肉も分解され、筋肉量が減少してしまいます。
筋肉の分解を抑え、効率的に筋肉を増やすためにも、自分の運動習慣(強度)に合った1日のタンパク質の摂取量をシッカリと把握し、食事やプロテインなどで上手に摂るようにしましょう。


筋肉分解のカタボリックと筋肉合成のアナボリック
ダイエットで過度な食事制限や糖質制限を行うと、体内の糖質の供給量が追いつかず、体がエネルギー不足に陥ります。すると、体は不足したエネルギーを補うために体脂肪や筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。
特に、この筋肉が分解されてアミノ酸やエネルギーを生成することを「カタボリック」といいます。反対に、食事からタンパク質が摂取されアミノ酸の血中濃度が上昇し筋肉が合成されることを「アナボリック」といいます。
これは自然に起こる通常の新陳代謝であり、筋肉分解「カタボリック」と筋肉合成「アナボリック」を交互に繰り返しながら人は生きています。しかし食事制限でタンパク質の摂取量が減少してしまうと、カタボリックとアナボリックのバランスが崩れ、カタボリックに偏り、筋肉分解が進んでしまいます。この筋肉分解であるカタボリックを防ぐためにもタイミングよく適切な量のタンパク質を摂取することが大変重要です。
👉カタボリック<アナボリック・・・・筋肉合成が進む
👉カタボリック>アナボリック・・・・筋肉分解が進む
基礎代謝や運動によって体内のエネルギーが不足すると、体は脂肪と筋肉を分解してエネルギーを生成しようとします。この時、エネルギーを補充するために食事で栄養を摂ることが大事なのですが、糖質を多く摂ってしまうと脂肪が付いて太ってしまい、反対にタンパク質を多く摂ると筋肉合成が進んで筋肉量が増え、基礎代謝が上がって痩せやすい体になります。しかし、だからといって糖質を全く摂らないというのはNGなのです。実は、糖質が摂取され血糖値が上がると膵臓からインスリンが生成され、インスリンがタンパク質を筋肉に運ぶ役割をしてくれます。そのお陰で筋肉合成が始まるのです。だから糖質も筋肉合成には大事な栄養素なのです。糖質もタンパク質も適切な量を摂取することが大切です。

運動や筋トレには絶対にタンパク質が必要!
筋トレする理由はムキムキマッチョになる為だけではありません。筋肉が増えると基礎代謝が上がり、痩せやすい体になります。なのでダイエットを成功させたいのであれば、男性はもちろん、女性にも、是非とも筋トレをダイエットメニューに取り入れて欲しいです。
そこで大事なポイントが『筋トレとタンパク質は必ずセット』で取り組むことです。
筋トレや運動では多くのエネルギーが消費されるため、体がカタボリックな状態に陥りがちになります。それを防ぐためにも運動や筋トレの2~3時間前にはタンパク質を意識的に摂取し、運動後にもタンパク質を補給することで、アナボリックを優位にすることができます。運動の前と後のどちらか一方でタンパク質を摂取しても問題ないです。運動の前後にそれほど差はありません。
筋肉を酷使する筋トレでは運動中は筋肉の分解が進み、運動後に筋肉の合成が始まります。このタイミングでタンパク質を摂らないとカタボリックが進み、せっかく筋トレしたのに筋肉が育ちません。逆に筋トレ後の1~2時間は筋肉合成が最も高まるゴールデンタイムと言われております。このゴールデンタイムを逃さないためにも、筋トレ後30~40分には吸収の良いプロテインでさっとタンパク質を補給したいですね。
それから、空腹時も筋肉分解が起こりやすいです。空腹な状態での運動やトレーニングはお勧めできません。

睡眠とタンパク質の組み合わせも大事!
たとえば、朝7時に朝食を摂り、昼の12時に昼食、夜の18時には夕食を摂るような規則正しい生活を送っていても、夕食から翌日の朝食までの12時間以上もの間、タンパク質が摂取できない時間帯があります。この時間帯は体の中でエネルギーが不足し、カタボリックに陥りやすい状態になっています。カタボリックで大事な筋肉分解を防ぐためにも、朝食はシッカリと食べ、意識的にタンパク質を多くとることをお勧め致します。また、寝る前にプロテインなどでタンパク質を摂るのも睡眠中のカタボリックの予防になるのでお勧めです。

運動しない日でも超回復のためにタンパク質を摂る!
運動や筋トレを休む日でもタンパク質は摂りましょう。筋トレから24~48時間はアナボリック優位が続きます。筋肉合成が進むチャンスです。シッカリとタンパク質を摂りましょう。
筋トレで筋肉を破壊し、休息で筋肉が修復されることで、筋肉が以前よりも大きくなる超回復が起こります。超回復により、筋肉は更に大きく、更に強く、質の良い筋肉になり、筋肉痛の治癒も早くなります。運動や筋トレを休む日をしっかりと設け、筋肉を休め、超回復を促しましょう。その時に必要なのが適切な量のタンパク質の摂取なのです。

計算式の説明:運動習慣強度別に必要な1日のタンパク質量
運動習慣強度別に必要な1日のタンパク質量は「運動習慣強度別の体重1kgあたりのタンパク質摂取量」に「体重」を掛けることで計算しています。
ただし、10代は成長期にあたり、筋肉や骨格の発達に必要なタンパク質が多く必要とされるため、タンパク質の摂取量を10%増やして計算しています。
計算式:タンパク質の摂取量=体重×体重1kgあたりのタンパク質摂取量
運動習慣強度の選択に迷ったら、『レジスタンストレーニング』(いわゆる筋トレ)を選んでください。
なお、この計算式は樋口満先生の「新版コンディショニングのスポーツ栄養学」を参考にしております。
表1.運動習慣強度別の体重1kgあたりのタンパク質摂取量
運動習慣の強度 | 体重1kgあたりのタンパク質必要量 [g] |
---|---|
活発に活動をしていない | 0.8 |
スポーツ愛好者(週に4~5回、30分のトレーニング) | 0.8~1.1 |
筋力トレーニング(維持期) | 1.2~1.4 |
筋力トレーニング(増強期) | 1.6~1.7 |
持久力トレーニング | 1.2~1.4 |
レジスタンストレーニング | 1.2~1.7 |
レジスタンストレーニングを始めて間もない時期 | 1.5~1.7 |
状態維持のためのレジスタンストレーニング | 1.0~1.2 |
断続的な高強度トレーニング | 1.4~1.7 |
ウェイトコントロール期間 | 1.4~1.8 |

まとめ
人はカタボリック(筋肉分解)とアナボリック(筋肉合成)を交互に繰り返しながら生きています。しかし、食事制限や、長時間の過度な運動による体内のエネルギーの枯渇でカタボリックに陥りやすくなります。せっかく運動や筋トレをして筋肉量を増やしたいのにエネルギー不足で筋肉が分解されてしまうのは非常に勿体ないことです。しっかりと栄養、特にタンパク質を意識的に多く摂り、しっかりと体を休めて超回復を促しましょう。これにより筋肉量が増え、基礎代謝が上がり、痩せやすい体になっていきます。その為にも、適度な運動量と、自分の運動習慣(強度)に合ったタンパク質量を摂取しましょう。

参考資料
◆(参考1)「新版コンディショニングのスポーツ栄養学」樋口満著