「辛い食事制限や運動をしなくても、短期間で効率よくダイエットできる!」という甘い言葉に人は魅せられてしまいます。私も昔はそうでした。しかし、栄養学やダイエットに関して勉強していくと、そんな方法は存在しないことが分ります。もし仮にそんなダイエット方法があるのであれば、それは一時的で不健康な痩せ方であり、リバウンドをしてしまうダイエット方法です。眉唾なダイエット方法なのです。
断言します、ダイエットに近道はありません。
食事制限をしながらも栄養バランスの良い食事を摂って適度な運動をする、このダイエット方法こそが正しい痩せ方であり、リバウンドをしない王道のダイエット方法なのです。この王道のダイエット方法は、辛い、面倒くさい、時間がかかる、大変、など殆どの人がイメージするでしょう。しかし、不規則で不摂生な食生活で太ってしまったのだから、それを本来の正しい食生活に戻して、健康的でスリムな美しい体を摂り戻すのは大変です。
しかし、そんな王道なダイエット方法ですが、近道はありませんが、その王道を効率的に走り抜ける方法があります。それには正しいダイエットの知識と努力が必要ですが、健康的に美しく痩せていく自分の姿を感じながら、そしてダイエットの成功体験を感じながら、楽しくダイエットできるようになります。それは最初は苦痛かもしれませんが、美しく健康的に痩せていく自分の姿に喜びと快感を感じながらダイエットに取り組めるようになります。今回は、その正しい知識についてご報告したいと思います。

効率的に痩せる正しいダイエットの知識を身に付ける
王道、つまり正しいダイエット方法とは、適切な摂取カロリー量と、栄養バランスのとれた食事と、適度な運動、これが一番の正しいダイエット方法です。極端な食事制限や短期間のダイエットでは一時的に痩せたとしても直ぐにリバウンドし、太りやすく痩せにくい体質に変わってしまい、体を壊してしまう危険性もあります。
特に勘違いしがちなのがカロリー制限ダイエットです。私も調べる前までは、完全に勘違いしておりました。カロリー制限ダイエットとは、消費カロリーよりも摂取カロリーを少なくするダイエット方法なのは言うまでもありませんね。消費カロリーよりも摂取カロリーが多ければ当然太っていきます。消費カロリーと摂取カロリーのバランスがとても重要です。しかし、極端なカロリー制限ダイエットでは、体が飢餓状態にあると感じ、筋肉を分解してエネルギーに変えようとします。これにより筋肉が減少し、リバウンドしやすい体質になってしまいます。栄養バランスを考えずにただ闇雲にカロリーだけを制限するダイエット方法ではいずれ体を壊してしまいます。
消費カロリーよりも摂取カロリーを減らしつつ、必要なカロリーの範囲内で栄養素をバランスよく摂取してダイエットするのが最も効率的で正しいダイエット方法なのです。

あなたの標準体重と必要な摂取カロリーを具体的に教えます
では、どれくらいのカロリーを摂取すればよいのでしょうか?
成人の1日の適正なエネルギー摂取量は身体活動量にもよりますが、目安として、おおよそ以下の計算で求めることができます。自分に必要なカロリーをシッカリと把握することが重要です。
まず、自分の標準体重から把握しましょう。
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
<例:178cmの人の標準体重の計算>
1.78(m)×1.78(m)×22=69.7(kg)
次に、1日の適正な総摂取カロリー量を知っておきましょう。
1日の適正な総摂取カロリー量=標準体重(kg)×活動量(キロカロリー)
《活動量の種類》
・軽い労作(デスクワーク、専業主婦など)25~30kcal→25kcalで計算
・普通の労作(立ち仕事が多い業種)30~35kcal→30kcalで計算
・重い労作(力仕事の多い業種)35kcal~35kcalで計算
<例:178cmの人のデスクワークの場合の1日の総摂取カロリー>
69.7(kg)×25(kcal)=1,743(kcal)
あなたに必要な三大栄養素の摂取量を身長別に教えます
では次に、どんな栄養を摂ればよいのでしょうか?
人間の体に特に重要な栄養素には、糖質・タンパク質・脂質があり、三大栄養素と言われています。これらは人の体の構成物質やエネルギーになる大事な栄養素です。これらの栄養素は全てエネルギーになりますが、特にタンパク質は筋肉や内臓やホルモンなどの構成材料になり、脂質は細胞膜やホルモンの構成材料になります。また、糖質はタンパク質や脂質に比べて即効性のあるエネルギーで脳や体を動かすには必要不可欠な栄養素ですが、残った糖質は脂肪になり、これが太る原因になります。それゆえ糖質制限ダイエットが効果的だと言われています。しかし、糖質制限ダイエットのやりすぎも、体を壊したり、筋力低下でリバウンドなどのリスクもあります。要は栄養素のバランスを考えたダイエットが重要ということです。
では、健康を維持するためには、どのくらいの栄養バランスが理想的なのでしょうか?
それは、摂取カロリーに対して
・糖質50~60%
・タンパク質15~20%
・脂質20~30%
の割合が理想的と言われています。(質量に対する割合ではないすよ。)
それって、もっと具体的に言うとどれくらいでしょうか?
糖質、タンパク質、脂質の摂取量の目安は以下の計算で簡単に求めることができます。まずは、自分は1日でどれくらいの摂取量が最適なのか把握することから始めましょう。
上記の通り、糖質は総摂取カロリーのうち50~60%を目安に摂るのが理想とされているので、今回は以下計算では50%で計算します。糖質の1ℊ当たりのカロリーは4kcal/gです。
※糖質摂取量=総摂取カロリー量×糖質摂取量の割合÷糖質1g当たりのカロリー
<例:178cmの人のデスクワークの場合の1日の糖質摂取量>
1,743(kcal)×0.5÷4=217.9ℊ
同様に、併せて、タンパク質や脂質の最適な摂取量も計算しておきましょう。タンパク質は総摂取カロリーのうち15~20%を目安に摂るのが理想とされているので、今回は以下計算では20%で計算します。タンパク質の1ℊ当たりのカロリーは4kcal/gです。
※タンパク質摂取量=総摂取カロリー量×タンパク質摂取量の割合÷タンパク質1g当たりのカロリー
<例:178cmの人のデスクワークの場合の1日のタンパク質摂取量>
1,743(kcal)×0.2÷4=87.2ℊ
脂質は総摂取カロリーのうち20~30%を目安に摂るのが理想とされているので、今回は以下計算では30%で計算します。脂質の1ℊ当たりのカロリーは9kcal/gです。
※脂質摂取量=総摂取カロリー量×脂質摂取量の割合÷脂質1g当たりのカロリー
<例:178cmの人のデスクワークの場合の1日の脂質摂取量>
1,743(kcal)×0.3÷9=58.1ℊ

パーセント表示だと覚えにくいので、以下のように比で覚えておくと便利です。
ダイエットしているなら、食品を買う時にパッケージの裏にある栄養成分表示を確認すると思いますが、その時に役に立ちます!
特にダイエットをする必要もなく、今の健康を維持したいなら、上記の割合より、
糖質:タンパク質:脂質=6:2:2
の栄養バランスが厚生労働省もお勧めする理想的なバランスです。
ダイエット中であれば、食事制限でタンパク質摂取量も不足しがなので、タンパク質を多めに摂取するよう心掛けたいので、
糖質:タンパク質:脂質=5:3:2
の栄養バランスで取り組むと良いと思います。
ダイエットの次のステップとして、筋トレも行って、余分な脂肪を減らしてスリムで引き締まった体を目指すなら、筋肉の元になるタンパク質を多めに摂取したいので、ダイエット時と同様、
糖質:タンパク質:脂質=5:3:2
が理想のバランスです。ダイエット中とほぼ同じで大丈夫です。

計算が面倒な人のために、以下に、ダイエット中や運動や筋トレを行っている人のために、身長と標準体重ごとの、1日の総摂取カロリー量と三大栄養素の最適摂取量(糖質:タンパク質:脂質=5:3:2)を表にまとめておきました。ダイエット中の人におすすめの栄養バランスです。ぜひ、ご自分の労作(生活スタイル)に合わせて確認してみてください。
▼軽い労作(デスクワーク、専業主婦など)▼
身長 | 標準体重 | 摂取カロリー | 糖質 | タンパク質 | 脂質 |
[cm] | [kg] | [kcal] | [g] | [g] | [g] |
150 | 49.5 | 1238 | 154.7 | 92.8 | 27.5 |
155 | 52.9 | 1321 | 165.2 | 99.1 | 29.4 |
160 | 56.3 | 1408 | 176.0 | 105.6 | 31.3 |
165 | 59.9 | 1497 | 187.2 | 112.3 | 33.3 |
170 | 63.6 | 1590 | 198.7 | 119.2 | 35.3 |
175 | 67.4 | 1684 | 210.5 | 126.3 | 37.4 |
180 | 71.3 | 1782 | 222.8 | 133.7 | 39.6 |
185 | 75.3 | 1882 | 235.3 | 141.2 | 41.8 |
▼普通の労作(立ち仕事が多い業種)▼
身長 | 標準体重 | 摂取カロリー | 糖質 | タンパク質 | 脂質 |
[cm] | [kg] | [kcal] | [g] | [g] | [g] |
150 | 49.5 | 1485 | 185.6 | 111.4 | 33.0 |
155 | 52.9 | 1586 | 198.2 | 118.9 | 35.2 |
160 | 56.3 | 1690 | 211.2 | 126.7 | 37.5 |
165 | 59.9 | 1797 | 224.6 | 134.8 | 39.9 |
170 | 63.6 | 1907 | 238.4 | 143.1 | 42.4 |
175 | 67.4 | 2021 | 252.7 | 151.6 | 44.9 |
180 | 71.3 | 2138 | 267.3 | 160.4 | 47.5 |
185 | 75.3 | 2259 | 282.4 | 169.4 | 50.2 |
▼重い労作(力仕事の多い業種)▼
身長 | 標準体重 | 摂取カロリー | 糖質 | タンパク質 | 脂質 |
[cm] | [kg] | [kcal] | [g] | [g] | [g] |
150 | 49.5 | 1733 | 216.6 | 129.9 | 38.5 |
155 | 52.9 | 1850 | 231.2 | 138.7 | 41.1 |
160 | 56.3 | 1971 | 246.4 | 147.8 | 43.8 |
165 | 59.9 | 2096 | 262.0 | 157.2 | 46.6 |
170 | 63.6 | 2225 | 278.2 | 166.9 | 49.5 |
175 | 67.4 | 2358 | 294.8 | 176.9 | 52.4 |
180 | 71.3 | 2495 | 311.9 | 187.1 | 55.4 |
185 | 75.3 | 2635 | 329.4 | 197.6 | 58.6 |

まとめ
それでは、最後にまとめです。
・ダイエットに近道無し。正しい知識、栄養バランス、食事制限、適度な運動!
・自分の標準体重を把握するべし!
・自分の1日の適切な総摂取カロリーを把握するべし!
・自分の1日の適切な糖質とタンパク質と脂質の摂取量を把握すべし!
ダイエットに近道はありません。正しい知識を身に付け、栄養バランスのとれた食事と適度な運動を心がければ、効率よく健康的にダイエットできます。王道のダイエット法ですが、これが一番間違いの少ないダイエット方法です。徐々に痩せていく自分の姿に喜びを感じながら、ぜひダイエットに楽しみを感じながら取り組んでください。自分の健康的で美しくスリムになった姿を妄想しながら頑張ってください!きっと楽しいはずです!