基礎代謝量とは、生命活動を維持するうえで最低限必要なエネルギーであり、性別や年齢、身長、体重などによって異なります。この自動計算ツールを使えば、性別、年齢、身長、体重の4項目を入力することで、今の体型での基礎代謝量を自動計算する事ができます。


目次
基礎代謝量とは
基礎代謝量とは、体温維持や、心臓や肺などの臓器を動かして生命を維持するなど、生きていくうえで必要不可欠なエネルギーのことです。生物の体は、横になって安静にしてゆっくりしていても、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、食べ物を消化したり、筋肉を動かしたり、なにかとエネルギーを消耗しています。この消耗されるエネルギー(カロリー)が基礎代謝量であり、これは1日の消費エネルギーの約60~70%を占めています。
<1日の消費エネルギーの内訳>
・基礎代謝量 約60~70%
・運動による代謝 約20~30%
・食事による代謝 約10%
基礎代謝量が低下すると、体重が増加したり、疲れやすくなったり、冷え性になったり、体調を崩したりします。ダイエットによる極端な食事制限で、基礎代謝量を極端に下回るようなカロリー制限は健康を損なう可能性がありますので、十分に注意してください。
基礎代謝の自動計算には国立健康・栄養研究所の式を使用
基礎代謝量とは、厚生労働省によると「覚醒状態で必要な最小限のエネルギーであり、早朝空腹時に快適な室内(室温など)において安静仰臥位・覚醒状態で測定される」としていますが、性別、年齢、身長、体重などを用いて推定する式の開発も数多く行われています。(参考1)
基礎代謝量の主な推定式としては以下の4つが有名です。
①国立健康・栄養研究所の式
②Harris-Benedictの式
③Schofieldの式
④FAO/WHO/UNUの式
当ブログの基礎代謝量の自動計算ツールでは、健康な日本人を用いたこれらの推定式の妥当性を調べた研究で、広い年齢範囲で比較的妥当性が高いと報告されている①の「国立健康・栄養研究所の式」を使用しています。他の自動計算ツールではHarris-Benedictの式の式を使っているサイトもありますが、全体として過大評価(実際の測定値より数値が高く算出される)の傾向にあり、特に全年齢階級の女性と20~49歳の男性で著しいと報告されております。
<国立健康・栄養研究所の式(20歳~74歳)>
男性:(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.4235)×1,000/4.186
女性:(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.9708)×1,000/4.186
(W:体重、H:身長、A:年齢)

年齢ごとの平均体重における基礎代謝量の基準値
上記の基礎代謝量の自動計算ツール(式)は、今の身長と体重、つまり今の体型を維持するうえで最低限必要なエネルギーを算出しました。
そこで、以下に参考として、該当する年齢における平均的な体重での基礎代謝量の基準値も載せておきます。
こちらも厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討報告書」(参考1)を参考にしており、日本人の1980年以降の基礎代謝測定値を踏まえたものです。これによると、男性では15~17歳、女性では12~14歳で基礎代謝量のピークを迎え、その後は徐々に低下していきます。一般的に基礎代謝量が高いほど、たくさんのエネルギーが消費されます。
なお、以下の表は、各年齢の平均的な体重における基礎代謝量を表したもので、体型や活動量によっても異なります。肥満の方は痩せている方よりも体の負荷が大きいので基礎代謝量は大きくなりますし、活動量が多い人は少ない人よりも基礎代謝量は大きくなります。
表1. 参照体重における基礎代謝量(男性)
性別 | 男性 | ||
---|---|---|---|
年齢 (歳) | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) | 参照体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal/日) |
1~2 | 61.0 | 11.5 | 700 |
3~5 | 54.8 | 16.5 | 900 |
6~7 | 44.3 | 22.2 | 980 |
8~9 | 40.8 | 28.0 | 1,140 |
10~11 | 37.4 | 35.6 | 1,330 |
12~14 | 31.0 | 49.0 | 1,520 |
15~17 | 27.0 | 59.7 | 1,610 |
18~29 | 23.7 | 64.5 | 1,530 |
30~49 | 22.5 | 68.1 | 1,530 |
50~64 | 21.8 | 68.0 | 1,480 |
65~74 | 21.6 | 65.0 | 1,400 |
75以上 | 21.5 | 59.6 | 1,280 |
※参照体重とは該当する年齢における平均的な体重です。
表2. 参照体重における基礎代謝量(女性)
性別 | 女性 | ||
---|---|---|---|
年齢 (歳) | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) | 参照体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal/日) |
1~2 | 59.7 | 11.0 | 660 |
3~5 | 52.2 | 16.1 | 840 |
6~7 | 41.9 | 21.9 | 920 |
8~9 | 38.3 | 27.4 | 1,050 |
10~11 | 34.8 | 36.3 | 1,260 |
12~14 | 29.6 | 47.5 | 1,410 |
15~17 | 25.3 | 51.9 | 1,310 |
18~29 | 22.1 | 50.3 | 1,110 |
30~49 | 21.9 | 53.0 | 1,160 |
50~64 | 20.7 | 53.8 | 1,110 |
65~74 | 20.7 | 52.1 | 1,080 |
75以上 | 20.7 | 48.8 | 1,010 |
※参照体重とは該当する年齢における平均的な体重です。
まとめ
当ブログでは、基礎代謝量の自動計算ツールには比較的妥当性の高い「国立健康・栄養研究所の式」を使用しています。
基礎代謝量とは、生命維持をするうえで最低限必要なエネルギー量であり、性別、年齢、身長、体重など個人差があります。肥満な人と痩せている人、筋肉量が多い人など、基礎代謝量は異なります。
上記の基礎代謝量の自動計算ツール(式)は、今の身長と体重を入力することで、今の体型を健康的に維持するうえで最低限必要な基礎代謝量を算出しております。
健康的にダイエットをするには、基礎代謝量ではなく必要エネルギーを元に摂取カロリーを考える必要があります。明らかに肥満体型の場合のダイエットでは、基礎代謝量を下回るカロリーを摂取することで体重を減らすことが出来ますが、健康管理や筋肉量にも十分な注意が必要になり、個人差も出てきますので、必要に応じて医師やトレーナーなど専門家のアドバイスも取り入れた方が安心です。

参考資料
◆(参考1)厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討報告書 02_各論_1-1_エネルギー_cs6_0116.indd (mhlw.go.jp)