1日に必要な摂取カロリーの自動計算ツール

1日に必要な摂取カロリーの自動計算ツール

 1日に必要な摂取カロリーを性別、年齢、身長、体重、身体活動レベルの4項目から簡単に自動計算することができます。ダイエットで食事制限をする際の、ご自身の摂取カロリーの把握にお役立てください。

自動計算ツール 1日に必要な摂取カロリー

表1.身体活動レベル別に見た活動内容

身体活動レベル日常生活の内容

(低い)
1.50生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合。
自宅にいてほとんど外出しない人。

(普通)
1.75座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合。
自立している人。

(高い)
2.00移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣を持っている場合。
1日に必要な摂取カロリー

必要な摂取カロリーとは

 このページでは、見て下さっている皆様に馴染みやすい様に、エネルギーの単位は「cal(カロリー)」であることから、「エネルギー必要量」と「必要な摂取カロリー」は同じ意味として扱っております。

 エネルギー必要量=必要な摂取カロリー

 さて、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書」では、エネルギー必要量とは、WHOの定義に従い、「ある身長・体重と体組成の個人が、長期間に良好な健康状態を維持する身体活動レベルのとき、エネルギー消費量と均衡が取れるエネルギー摂取量」と定義されています。さらに、比較的短期間の場合には、「そのときの体重を保つ(増加も減少もしない)ために適当なエネルギー」と定義されています。(参考1)

 要するに、健康な状態の体を維持する生活を送っているとき、
 エネルギー必要量=エネルギー消費量=エネルギー摂取量(=必要な摂取カロリー)
 という関係が成り立つということです。

 これは、学生時代に勉強したエネルギー保存の法則に当てはまりますね。
 摂取したエネルギーと消費するエネルギーが同じならば、体内にエネルギーは保存されずプラスマイナスゼロとなり、体型は維持されます。
 摂取したエネルギーより消費するエネルギーが多ければ、体内のエネルギーは不足状態でマイナスとなり、足りないエネルギーを補うために脂肪を分解してエネルギーに変換するので痩せていきます。
 摂取したエネルギーより消費するエネルギーが少なければ、体内のエネルギーは保存されてプラスとなり、体外にエネルギーを排出しない限り、余ったエネルギーは脂肪として体に蓄えられるので太ります。

 摂取エネルギー=消費エネルギー : 体型を維持
 摂取エネルギー<消費エネルギー : 痩せていく(脂肪がエネルギーに変える)
 摂取エネルギー>消費エネルギー : 太っていく(エネルギーが脂肪に変わる)

 体脂肪を1kg減らすには7200kcalを消費しなければならないと言われています。ほんの少し摂取カロリーが消費カロリーより多くても、塵も積もれば山となり、体重増加に繋がります。だからこそ、ダイエットをするからには、必ず「摂取エネルギー<消費エネルギー」を目標とする体重まで維持しなければなりません。だからこそ、まずは自分の標準体重を知り、1日に必要な摂取カロリーを知ることが大変重要なのです。

 摂取カロリーは食事や飲み物など口からの摂取が100%ですが、消費カロリーは基礎代謝による消費が60~70%、運動による消費が20~30%、食事の代謝による消費が10%、と言われております。食事制限して摂取カロリーを減らすのが最も効率的ですが、消費カロリーの内訳を見ると、筋肉量を増やして基礎代謝を高めることも非常に効率的だということが分りますね。

1日に必要な摂取カロリーの計算式の説明

1日に必要な摂取カロリー = 基礎代謝量 × 身体活動レベル
  →身体活動レベルは上記の表1参照
  →基礎代謝量は以下式参照

基礎代謝量 = (性別、年齢、体重、身長)の関数
  →基礎代謝量は「国立健康・栄養研究所の式」を使用しています。
   基礎代謝量に関してはこちらの記事でも詳しく説明しております。
  <国立健康・栄養研究所の式(20歳~74歳)>
  男性:(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.4235)×1,000/4.186
  女性:(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.9708)×1,000/4.186
      W:体重、H:身長、A:年齢

このページでは、ダイエットで標準体重(BMIが22)を目指すことを前提に計算していますので、
  BMI = 体重[kg] ÷ (身長[m])²
より、
  標準体重 = (身長[m])² ×22
とし、
これを上記の基礎代謝量の式に代入して、身体活動レベルを掛け算することで、標準体重における1日に必要な摂取カロリーを計算しています。ゆえに標準体重での基礎代謝量の式は以下の通りになります。

基礎代謝量 = (性別、年齢、標準体重、身長)の関数

BMIと標準体重に関してはこちらの記事でも詳しく説明しております。

1日に必要な摂取カロリーの計算式の説明

まとめ

 ダイエットで食事制限を行う上で、1日に必要な摂取カロリーを求める計算式と自動計算ツールを御紹介しました。 
 すでに標準体重であり、ダイエットをする必要が無く、現状の体型を維持したいのであれば、①の基礎代謝量と②の1日に必要な摂取カロリーを参考にしてください。
 標準体重(BMIが22)を目指したダイエットをするのであれば、③の標準体重と④の基礎代謝量と⑤の1日に必要な摂取カロリーを参考にしてください。④の基礎代謝量を下回る摂取カロリーでは健康を損なう恐れがありますのでご注意ください。
 1日に必要な摂取カロリーに及ぼす要因は、性別、年齢、身長、体重、身体活動レベルの4項目以外にも数多く存在し、当然のことながら個人間差も生じるため、あくまでもここで求める摂取カロリーは参考として使ってください。
 ダイエットは適度な食事制限と適度な運動で無理のない範囲で行うことをお勧めいたします。

まとめ

参考資料

◆(参考1)日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書 02_各論_1-1_エネルギー_cs6_0116.indd (mhlw.go.jp)

基礎代謝量の自動計算ツール

 基礎代謝量とは、生命活動を維持するうえで最低限必要なエネルギーであり、性別や年齢、身長、体重などによって異なります。この自動計算ツールを使えば、性別、年齢、身長、体重の4項目を入力することで、今の体型での基礎代謝量を自動計算する事ができます。

自動計算ツール 基礎代謝量
基礎代謝量 仰向け

基礎代謝量とは

 基礎代謝量とは、体温維持や、心臓や肺などの臓器を動かして生命を維持するなど、生きていくうえで必要不可欠なエネルギーのことです。生物の体は、横になって安静にしてゆっくりしていても、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、食べ物を消化したり、筋肉を動かしたり、なにかとエネルギーを消耗しています。この消耗されるエネルギー(カロリー)が基礎代謝量であり、これは1日の消費エネルギーの約60~70%を占めています。

 <1日の消費エネルギーの内訳>
  ・基礎代謝量    約60~70%
  ・運動による代謝  約20~30%
  ・食事による代謝  約10%

基礎代謝量が低下すると、体重が増加したり、疲れやすくなったり、冷え性になったり、体調を崩したりします。ダイエットによる極端な食事制限で、基礎代謝量を極端に下回るようなカロリー制限は健康を損なう可能性がありますので、十分に注意してください。

基礎代謝の自動計算には国立健康・栄養研究所の式を使用

 基礎代謝量とは、厚生労働省によると「覚醒状態で必要な最小限のエネルギーであり、早朝空腹時に快適な室内(室温など)において安静仰臥位・覚醒状態で測定される」としていますが、性別、年齢、身長、体重などを用いて推定する式の開発も数多く行われています。(参考1)

基礎代謝量の主な推定式としては以下の4つが有名です。
 ①国立健康・栄養研究所の式
 ②Harris-Benedictの式
 ③Schofieldの式
 ④FAO/WHO/UNUの式

 当ブログの基礎代謝量の自動計算ツールでは、健康な日本人を用いたこれらの推定式の妥当性を調べた研究で、広い年齢範囲で比較的妥当性が高いと報告されている①の「国立健康・栄養研究所の式」を使用しています。他の自動計算ツールではHarris-Benedictの式の式を使っているサイトもありますが、全体として過大評価(実際の測定値より数値が高く算出される)の傾向にあり、特に全年齢階級の女性と20~49歳の男性で著しいと報告されております。

<国立健康・栄養研究所の式(20歳~74歳)>
 男性:(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.4235)×1,000/4.186
 女性:(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.9708)×1,000/4.186
    (W:体重、H:身長、A:年齢)

年齢ごとの平均体重における基礎代謝量の基準値

 上記の基礎代謝量の自動計算ツール(式)は、今の身長と体重、つまり今の体型を維持するうえで最低限必要なエネルギーを算出しました。

 そこで、以下に参考として、該当する年齢における平均的な体重での基礎代謝量の基準値も載せておきます。
 こちらも厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討報告書」(参考1)を参考にしており、日本人の1980年以降の基礎代謝測定値を踏まえたものです。これによると、男性では15~17歳、女性では12~14歳で基礎代謝量のピークを迎え、その後は徐々に低下していきます。一般的に基礎代謝量が高いほど、たくさんのエネルギーが消費されます。
 なお、以下の表は、各年齢の平均的な体重における基礎代謝量を表したもので、体型や活動量によっても異なります。肥満の方は痩せている方よりも体の負荷が大きいので基礎代謝量は大きくなりますし、活動量が多い人は少ない人よりも基礎代謝量は大きくなります。

表1. 参照体重における基礎代謝量(男性)

性別男性
年齢
(歳)
基礎代謝基準値
(kcal/kg体重/日)
参照体重
(kg)
基礎代謝量
(kcal/日)
1~261.011.5700
3~554.816.5900
6~744.322.2980
8~940.828.01,140
10~1137.435.61,330
12~1431.049.01,520
15~1727.059.71,610
18~2923.764.51,530
30~4922.568.11,530
50~6421.868.01,480
65~7421.665.01,400
75以上21.559.61,280
※基礎代謝基準値とは体重1kgあたりの基礎代謝量の代表値です。
※参照体重とは該当する年齢における平均的な体重です。

表2. 参照体重における基礎代謝量(女性)

性別女性
年齢
(歳)
基礎代謝基準値
(kcal/kg体重/日)
参照体重
(kg)
基礎代謝量
(kcal/日)
1~259.711.0660
3~552.216.1840
6~741.921.9920
8~938.327.41,050
10~1134.836.31,260
12~1429.647.51,410
15~1725.351.91,310
18~2922.150.31,110
30~4921.953.01,160
50~6420.753.81,110
65~7420.752.11,080
75以上20.748.81,010
※基礎代謝基準値とは体重1kgあたりの基礎代謝量の代表値です。
※参照体重とは該当する年齢における平均的な体重です。

まとめ

 当ブログでは、基礎代謝量の自動計算ツールには比較的妥当性の高い「国立健康・栄養研究所の式」を使用しています。
 基礎代謝量とは、生命維持をするうえで最低限必要なエネルギー量であり、性別、年齢、身長、体重など個人差があります。肥満な人と痩せている人、筋肉量が多い人など、基礎代謝量は異なります。
 上記の基礎代謝量の自動計算ツール(式)は、今の身長と体重を入力することで、今の体型を健康的に維持するうえで最低限必要な基礎代謝量を算出しております。
 健康的にダイエットをするには、基礎代謝量ではなく必要エネルギーを元に摂取カロリーを考える必要があります。明らかに肥満体型の場合のダイエットでは、基礎代謝量を下回るカロリーを摂取することで体重を減らすことが出来ますが、健康管理や筋肉量にも十分な注意が必要になり、個人差も出てきますので、必要に応じて医師やトレーナーなど専門家のアドバイスも取り入れた方が安心です。

まとめ

参考資料

◆(参考1)厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討報告書 02_各論_1-1_エネルギー_cs6_0116.indd (mhlw.go.jp)