1日に最適な糖質-タンパク質-脂質の摂取量の自動計算ツール

1日に最適な糖質-タンパク質-脂質の摂取量

 性別と年齢と身長を入力し、身体活動レベルを選択するだけで、標準体重(BMIが22)における1日に最適な糖質・タンパク質・脂質の摂取量を自動計算できます。また、ダイエットや運動や筋トレを行っている人に最適な摂取量も一緒に自動計算できますので、是非とも参考にしてください。

自動計算ツール_1日に最適な糖質-タンパク質-脂質の摂取量
ダイエットや筋トレする人の糖質-タンパク質-脂質の摂取量

三大栄養素の糖質・タンパク質・脂質の役割

 糖質、タンパク質、脂質は三大栄養素と呼ばれ、食物中に含まれる必須な栄養素の中でもエネルギーにもなり身体を作る材料にもなれる大事な栄養素です。そのため自分の適正体重(標準体重)と身体活動量に応じた適切な摂取量を把握することが重要です。それでは、簡単に糖質、タンパク質、脂質、それぞれの働きを説明します。

糖質

 糖質は1gで4kcalのエネルギーを生み出します。タンパク質や脂質に比べてすぐにエネルギーに変わる特徴があり、身体活動や生命活動を維持するうえで主要なエネルギー源です。すぐに使う必要量以上に摂取してしまった余剰の糖質は、体内に脂肪として蓄積されてしまい、糖質の摂り過ぎは肥満の原因になります。摂取カロリーに対する糖質の最適な割合は50~60%です。

タンパク質

 タンパク質は1gで4kcalのエネルギーを生み出します。タンパク質は、筋肉や内臓や血管、皮膚、爪、髪など、身体の大部分を作る大事な栄養素であり、タンパク質で構成される体組成の総重量は30~40%にのぼり、そのうち筋肉は水分以外の約80%がタンパク質によって出来ています。また、タンパク質は全身に酸素を運ぶヘモグロビンなどの血液成分や、神経伝達物質の一部、遺伝子や免疫物質の主成分でもあり、体内で起こる化学反応にタンパク質は必要不可欠です。摂取カロリーに対するタンパク質の最適な割合は15~20%です。

脂質

 脂質は1gで9kcalのエネルギーを生み出します。少量でも多くのエネルギーを確保することができ、タンパク質や糖質より2倍以上のエネルギー量があります。エネルギーとして消費されずに余った脂質は体脂肪(中性脂肪)として体に蓄積され、貯蔵エネルギーとなります。ネガティブイメージのある脂質ですが、脂質は細胞膜やホルモンなどの主成分として使われ、体温の保持や内臓の保護など大事な働きをしています。摂取カロリーに対する脂質の最適な割合は20~30%です。


 このように、糖質や脂質は、必要以上に過剰に摂取した分は脂肪として体内に蓄積され肥満の原因にもなりますが、一方でタンパク質は脂肪になりにくく、余剰分の多くは体外に排出されてしまいます。また、タンパク質は運動や筋トレを行うことで、より大きく質の良い筋肉を合成し、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、痩せやすい体になります。
 ダイエットで食事制限を行うと他の栄養素と共にタンパク質の摂取量も減少する傾向にあるので、ダイエット中の人や運動や筋トレを行う習慣がある人は、積極的にタンパク質の摂取量を増やす必要があります。ちなみに、ダイエット中の人や、運動や筋トレを習慣的に行う人は、摂取カロリーに対する糖質の割合は50%、タンパク質の割合は30%、脂質の割合は20%で摂取すると良いでしょう。
 ただし、タンパク質を積極的に摂取しようとする余り、必要以上にカロリーを摂ってしまうと肥満の原因になりますので、必要摂取カロリー以下で積極的にタンパク質を摂取するのがお勧めです。

ダイエットや筋トレする人の摂取カロリーに対する糖質-タンパク質-脂質の割合

計算式の説明:1日に最適な糖質・タンパク質・脂質の摂取量

 計算式は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書を参考にしています。

①BMIが22となる標準体重を計算します。

 計算式: 標準体重 =(身長[m])² × 22
詳しい計算式は、記事『BMIと標準体重の自動計算ツール』を参照して下さい。

②1日に必要な摂取カロリーを算出します。

 計算式: 1日に必要な摂取カロリー = 基礎代謝量 × 身体活動レベル
基礎代謝量の計算式が複雑なのでここでは詳細の説明は割愛しますが、
 計算式:基礎代謝量 =(性別、年齢、標準体重、身長)の関数
になっております。詳しい計算式は、記事『1日に必要な摂取カロリーの自動計算ツール』を参照してください。

③1日に最適な、糖質・タンパク質・脂質の摂取量を計算します。

◆1日に最適な糖質の摂取量を計算します。
 計算式:糖質摂取量 = 総摂取カロリー量 × 糖質摂取量の割合 ÷ 糖質1g当たりのカロリー・・・(A)
  ※摂取カロリーに対する糖質の最適な割合は50~60%です。
  ※糖質の1ℊ当たりのカロリーは4kcal/gです。

◆1日に最適なタンパク質の摂取量を計算します。
 計算式:タンパク質摂取量 = 総摂取カロリー量 × タンパク質摂取量の割合 ÷ タンパク質1g当たりのカロリー・・・(B)
  ※摂取カロリーに対するタンパク質の最適な割合は15~20%です。
  ※タンパク質の1ℊ当たりのカロリーは4kcal/gです。

◆1日に最適な脂質の摂取量を計算します。
 計算式:脂質摂取量 = 総摂取カロリー量 × 脂質摂取量の割合 ÷ 脂質1g当たりのカロリー・・・(C)
  ※摂取カロリーに対する脂質の最適な割合は20~30%です。
  ※脂質の1ℊ当たりのカロリーは9kcal/gです。

④ダイエット中や運動や筋トレを行っている人に最適な、
 糖質・タンパク質・脂質の摂取量を計算します。

 ダイエット中や運動や筋トレを行っている人の糖質、タンパク質、脂質の摂取カロリーに対する割合は
 糖質:タンパク質:脂質=50%:30%:20%
が理想的と言われています。

◆ダイエット中や筋トレを行っている人に最適な糖質の摂取量を計算します。
 計算式(A)の糖質摂取量の割合を50%で計算します。

◆ダイエット中や筋トレを行っている人に最適なタンパク質の摂取量を計算します。
 計算式(B)のタンパク質摂取量の割合を30%で計算します。

◆ダイエット中や筋トレを行っている人に最適な脂質の摂取量を計算します
 計算式(C)の脂質摂取量の割合を20%で計算します。

1日に最適な糖質・タンパク質・脂質の摂取量の計算式の説明

まとめ

 糖質もタンパク質も脂質もどれも大事な栄養素であり、極端な糖質制限や脂質制限は健康を害する恐れがあります。自分に最適な摂取量を把握し、最適な摂取カロリーの中でバランスよく糖質・タンパク質・脂質を摂取し、自分の活動内容(ダイエットや筋トレなど)に応じて、必要摂取カロリー以内でタンパク質の量を増やすのがポイントです。
 なお、1日に必要な糖質・タンパク質・脂質の摂取量に及ぼす要因は、性別、年齢、身長、体重、身体活動レベルの4項目以外にも数多く存在し、当然のことながら個人間差も生じるため、あくまでもここで求める摂取量は参考として使ってください。

まとめ

参考資料

◆(参考1)日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書(全文)

ダイエットに最適な三大栄養素の摂取量を身長別に調査した!

糖質,タンパク質,脂質

 「辛い食事制限や運動をしなくても、短期間で効率よくダイエットできる!」という甘い言葉に人は魅せられてしまいます。私も昔はそうでした。しかし、栄養学やダイエットに関して勉強していくと、そんな方法は存在しないことが分ります。もし仮にそんなダイエット方法があるのであれば、それは一時的で不健康な痩せ方であり、リバウンドをしてしまうダイエット方法です。眉唾なダイエット方法なのです。

 断言します、ダイエットに近道はありません。

 食事制限をしながらも栄養バランスの良い食事を摂って適度な運動をする、このダイエット方法こそが正しい痩せ方であり、リバウンドをしない王道のダイエット方法なのです。この王道のダイエット方法は、辛い、面倒くさい、時間がかかる、大変、など殆どの人がイメージするでしょう。しかし、不規則で不摂生な食生活で太ってしまったのだから、それを本来の正しい食生活に戻して、健康的でスリムな美しい体を摂り戻すのは大変です。

 しかし、そんな王道なダイエット方法ですが、近道はありませんが、その王道を効率的に走り抜ける方法があります。それには正しいダイエットの知識と努力が必要ですが、健康的に美しく痩せていく自分の姿を感じながら、そしてダイエットの成功体験を感じながら、楽しくダイエットできるようになります。それは最初は苦痛かもしれませんが、美しく健康的に痩せていく自分の姿に喜びと快感を感じながらダイエットに取り組めるようになります。今回は、その正しい知識についてご報告したいと思います。

効率的に痩せる正しいダイエットの知識を身に付ける

 王道、つまり正しいダイエット方法とは、適切な摂取カロリー量と、栄養バランスのとれた食事と、適度な運動、これが一番の正しいダイエット方法です。極端な食事制限や短期間のダイエットでは一時的に痩せたとしても直ぐにリバウンドし、太りやすく痩せにくい体質に変わってしまい、体を壊してしまう危険性もあります。

 特に勘違いしがちなのがカロリー制限ダイエットです。私も調べる前までは、完全に勘違いしておりました。カロリー制限ダイエットとは、消費カロリーよりも摂取カロリーを少なくするダイエット方法なのは言うまでもありませんね。消費カロリーよりも摂取カロリーが多ければ当然太っていきます。消費カロリーと摂取カロリーのバランスがとても重要です。しかし、極端なカロリー制限ダイエットでは、体が飢餓状態にあると感じ、筋肉を分解してエネルギーに変えようとします。これにより筋肉が減少し、リバウンドしやすい体質になってしまいます。栄養バランスを考えずにただ闇雲にカロリーだけを制限するダイエット方法ではいずれ体を壊してしまいます。

 消費カロリーよりも摂取カロリーを減らしつつ、必要なカロリーの範囲内で栄養素をバランスよく摂取してダイエットするのが最も効率的で正しいダイエット方法なのです。

あなたの標準体重と必要な摂取カロリーを具体的に教えます

 では、どれくらいのカロリーを摂取すればよいのでしょうか?
 成人の1日の適正なエネルギー摂取量は身体活動量にもよりますが、目安として、おおよそ以下の計算で求めることができます。自分に必要なカロリーをシッカリと把握することが重要です。

まず、自分の標準体重から把握しましょう。

 標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

  <例:178cmの人の標準体重の計算>
   1.78(m)×1.78(m)×22=69.7(kg)


次に、1日の適正な総摂取カロリー量を知っておきましょう。

 1日の適正な総摂取カロリー量=標準体重(kg)×活動量(キロカロリー)

《活動量の種類》
・軽い労作(デスクワーク、専業主婦など)25~30kcal→25kcalで計算
・普通の労作(立ち仕事が多い業種)30~35kcal→30kcalで計算
・重い労作(力仕事の多い業種)35kcal~35kcalで計算

  <例:178cmの人のデスクワークの場合の1日の総摂取カロリー>
   69.7(kg)×25(kcal)=1,743(kcal)

あなたに必要な三大栄養素の摂取量を身長別に教えます

 では次に、どんな栄養を摂ればよいのでしょうか?
 人間の体に特に重要な栄養素には、糖質・タンパク質・脂質があり、三大栄養素と言われています。これらは人の体の構成物質やエネルギーになる大事な栄養素です。これらの栄養素は全てエネルギーになりますが、特にタンパク質は筋肉や内臓やホルモンなどの構成材料になり、脂質は細胞膜やホルモンの構成材料になります。また、糖質はタンパク質や脂質に比べて即効性のあるエネルギーで脳や体を動かすには必要不可欠な栄養素ですが、残った糖質は脂肪になり、これが太る原因になります。それゆえ糖質制限ダイエットが効果的だと言われています。しかし、糖質制限ダイエットのやりすぎも、体を壊したり、筋力低下でリバウンドなどのリスクもあります。要は栄養素のバランスを考えたダイエットが重要ということです。
 では、健康を維持するためには、どのくらいの栄養バランスが理想的なのでしょうか?
それは、摂取カロリーに対して

 ・糖質50~60%
 ・タンパク質15~20%
 ・脂質20~30%

の割合が理想的と言われています。(質量に対する割合ではないすよ。)

 それって、もっと具体的に言うとどれくらいでしょうか?
糖質、タンパク質、脂質の摂取量の目安は以下の計算で簡単に求めることができます。まずは、自分は1日でどれくらいの摂取量が最適なのか把握することから始めましょう。


 上記の通り、糖質は総摂取カロリーのうち50~60%を目安に摂るのが理想とされているので、今回は以下計算では50%で計算します。糖質の1ℊ当たりのカロリーは4kcal/gです。

※糖質摂取量=総摂取カロリー量×糖質摂取量の割合÷糖質1g当たりのカロリー

  <例:178cmの人のデスクワークの場合の1日の糖質摂取量>
   1,743(kcal)×0.5÷4=217.9ℊ


 同様に、併せて、タンパク質や脂質の最適な摂取量も計算しておきましょう。タンパク質は総摂取カロリーのうち15~20%を目安に摂るのが理想とされているので、今回は以下計算では20%で計算します。タンパク質の1ℊ当たりのカロリーは4kcal/gです。

※タンパク質摂取量=総摂取カロリー量×タンパク質摂取量の割合÷タンパク質1g当たりのカロリー

  <例:178cmの人のデスクワークの場合の1日のタンパク質摂取量>
   1,743(kcal)×0.2÷4=87.2ℊ


 脂質は総摂取カロリーのうち20~30%を目安に摂るのが理想とされているので、今回は以下計算では30%で計算します。脂質の1ℊ当たりのカロリーは9kcal/gです。

※脂質摂取量=総摂取カロリー量×脂質摂取量の割合÷脂質1g当たりのカロリー

  <例:178cmの人のデスクワークの場合の1日の脂質摂取量>
   1,743(kcal)×0.3÷9=58.1ℊ

 パーセント表示だと覚えにくいので、以下のように比で覚えておくと便利です。
ダイエットしているなら、食品を買う時にパッケージの裏にある栄養成分表示を確認すると思いますが、その時に役に立ちます!

 特にダイエットをする必要もなく、今の健康を維持したいなら、上記の割合より、
 糖質:タンパク質:脂質=6:2:2
の栄養バランスが厚生労働省もお勧めする理想的なバランスです。

 ダイエット中であれば、食事制限でタンパク質摂取量も不足しがなので、タンパク質を多めに摂取するよう心掛けたいので、
 糖質:タンパク質:脂質=5:3:2 
 の栄養バランスで取り組むと良いと思います。

 ダイエットの次のステップとして、筋トレも行って、余分な脂肪を減らしてスリムで引き締まった体を目指すなら、筋肉の元になるタンパク質を多めに摂取したいので、ダイエット時と同様、
 糖質:タンパク質:脂質=5:3:2
が理想のバランスです。ダイエット中とほぼ同じで大丈夫です。

 計算が面倒な人のために、以下に、ダイエット中や運動や筋トレを行っている人のために、身長と標準体重ごとの、1日の総摂取カロリー量と三大栄養素の最適摂取量(糖質:タンパク質:脂質=5:3:2)を表にまとめておきました。ダイエット中の人におすすめの栄養バランスです。ぜひ、ご自分の労作(生活スタイル)に合わせて確認してみてください。

軽い労作(デスクワーク、専業主婦など)

身長標準体重摂取カロリー糖質タンパク質脂質
[cm][kg][kcal][g][g][g]
15049.51238154.792.827.5
15552.91321165.299.129.4
16056.31408176.0105.631.3
16559.91497187.2112.333.3
17063.61590198.7119.235.3
17567.41684210.5126.337.4
18071.31782222.8133.739.6
18575.31882235.3141.241.8

普通の労作(立ち仕事が多い業種)

身長標準体重摂取カロリー糖質タンパク質脂質
[cm][kg][kcal][g][g][g]
15049.51485185.6111.433.0
15552.91586198.2118.935.2
16056.31690211.2126.737.5
16559.91797224.6134.839.9
17063.61907238.4143.142.4
17567.42021252.7151.644.9
18071.32138267.3160.447.5
18575.32259282.4169.450.2

重い労作(力仕事の多い業種)

身長標準体重摂取カロリー糖質タンパク質脂質
[cm][kg][kcal][g][g][g]
15049.51733216.6129.938.5
15552.91850231.2138.741.1
16056.31971246.4147.843.8
16559.92096262.0157.246.6
17063.62225278.2166.949.5
17567.42358294.8176.952.4
18071.32495311.9187.155.4
18575.32635329.4197.658.6

まとめ

 それでは、最後にまとめです。

・ダイエットに近道無し。正しい知識、栄養バランス、食事制限、適度な運動!
・自分の標準体重を把握するべし!
・自分の1日の適切な総摂取カロリーを把握するべし!
・自分の1日の適切な糖質とタンパク質と脂質の摂取量を把握すべし!

 ダイエットに近道はありません。正しい知識を身に付け、栄養バランスのとれた食事と適度な運動を心がければ、効率よく健康的にダイエットできます。王道のダイエット法ですが、これが一番間違いの少ないダイエット方法です。徐々に痩せていく自分の姿に喜びを感じながら、ぜひダイエットに楽しみを感じながら取り組んでください。自分の健康的で美しくスリムになった姿を妄想しながら頑張ってください!きっと楽しいはずです!

糖質制限とカロリー制限、ダイエットに効果的なのはどっち?

糖質制限ダイエット、最近よく耳にするようになりましたよね。

一方で昔から良く言われているのがカロリー制限ダイエット。ダイエットを始めると最初は誰もが摂取カロリーを気にしてダイエットを頑張っていますよね。

そこで皆さん、疑問に思いませんか?
糖質制限ダイエットとカロリー制限ダイエット、どちらがより効果的なダイエットなのだろうか? とね。。。。

そもそもカロリー制限ダイエットって何?

糖質制限ダイエットって何?

一体、何がちがうのでしょうか?

今回はこの疑問について調査したので御報告したいと思います。
私も非常に勉強になりました。
是非、今からのダイエットにお役立てください。

 実は最近、カロリー制限ダイエットよりも糖質制限ダイエットの方が主流になってきました。理由は糖質制限の方が理に適ったダイエット方法だということが認知されるようになってきたからです。
 ではまず、そもそもカロリー制限ダイエットとはどんなものなのか、詳しく御説明しましょう。

カロリー制限ダイエットとは

 カロリー制限ダイエットとは、単純に食事などで摂取するカロリーよりも、基礎代謝や運動などで消費するカロリーを多くしてダイエットする方法です。

 ※ 摂取カロリー<消費カロリー

 しかし、この方法は普段から摂取カロリーが多い人がダイエットするのには有効ですが、やりすぎなカロリー制限ダイエットは、逆に太りやすい体質を作ってしまうことになってしまいます。

 やりすぎなカロリー制限では、食事では必要なエネルギーが足りないため、体がエネルギーの飢餓状態になり、少ない栄養でも活動できるエコモードに入ります。すると、足りないエネルギーを体内から補うために、筋肉を分解してエネルギーに変えて生きようとします。これにより、筋肉量が減り、基礎代謝が低下し、痩せにくく太りやすい体質になってしまうのです。この状態でダイエットを辞めて食事を元に戻すと、代謝が低い状態で摂取カロリーオーバーになってしまい、一気に太ってしまうのです。これが、カロリー制限では一時的には痩せるものの、リバウンドしやすい体質になってしまう原因です。

 冒頭に申し上げましたが、カロリー制限ダイエットとは、単に消費カロリーよりも摂取カロリーを減らして体重を落とす方法です。これだと、ただ闇雲にカロリー制限することだけに注目してしまい、大事な栄養バランスを無視しがちです。

 そもそも、カロリー(cal)とは熱量の単位です。g、m、と同じで単なる単位にすぎないのです。1kcalとは、1リットルの水の温度を1度あげるのに必要なエネルギーをいいます(熱量ともいう)

 体に摂取する栄養素には、太りやすい栄養もありますが、当然、生きていくうえで必要な栄養も、基礎代謝を上げて痩せやすくする栄養も、臓器や細胞や髪や皮膚など体組成を作る栄養も、お肌に張りと潤いを与え美容に良い栄養など、様々にあります。カロリー制限は、これらの栄養素を何も関係なしに、手あたり次第に制限してしまっているのです。

 こんなやりすぎなカロリー制限ダイエットでは、エネルギー不足を補うために筋肉が分解され、筋肉量が低下し、基礎代謝が下がり、太りやすい体質になってしまいます。美しく健康的に痩せたいなら、大事なことは栄養バランスを考えてダイエットに取り組むことです。

糖質制限ダイエットとは

 糖質制限ダイエットとは、栄養素の中でも制限することで効果的に痩せられる「糖質」に絞って制限することで、効率的に痩せる方法です。

では、なぜ糖質制限ダイエットが効果的なのか?その理由をご説明します。

栄養には『三大栄養素』といわれる

炭水化物(糖質)タンパク質脂質

があります。

三大栄養素でその栄養素ごとの役割をみましょう。

糖質とは、炭水化物を形成する栄養素の一部で、エネルギーになるものを言います。活動に必要なエネルギー源で、すばやくエネルギーになる即戦力のエネルギーです。

タンパク質とは、筋肉や臓器、肌や髪、爪、ホルモンなどの体を作る大事な材料です。メインは体を作るための栄養素ですが、エネルギーにもなります。

脂質とは、細胞膜や血液やホルモンなど体を作る大事な栄養素です。糖質と同じく体の大事なエネルギー源ですが、即戦力のエネルギーではなく、脂質は蓄えられた中から必要な時に消費される備蓄型のエネルギーです。水に溶けずに有機溶媒に溶ける有機化合物の総称です。

ここで大事なのは、

摂取した栄養素は何に使われるのか?

摂り過ぎて余った栄養素はどうなってしまうのか?

です。

 「糖質」はすばやくエネルギーになる即戦力のエネルギーですが、体を動かすエネルギーにしか使われません。余った糖質は確実に脂肪に変わってしまうのです。糖質を摂取すると血糖値が上昇します。すると体内ではインスリンが分泌され、インスリンが体内の糖質(ブドウ糖)を脂肪に変えてしまいます。逆に糖質制限で体内の糖質が不足すると、脂肪がケトン体に変換され、代替エネルギーとして利用されるので脂肪の蓄積を防ぐのです。

 一方、「タンパク質」はエネルギーにもなりますが、メインは筋肉や臓器、肌や髪、爪、ホルモンなどの体を作る事に使われます。特に筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、エネルギー消費が増え痩せやすい体質になるので、積極的にタンパク質を摂るべきです。

 「脂質」も血糖値を上昇させる働きはないので、多少摂り過ぎたとしても、皮膚や髪の毛などの細胞に使われるなど、別の使い道があり、必ずしも全てが体脂肪になって太るわけではありません。

 この様な栄養学の観点から考えられた糖質制限ダイエットは、体脂肪に変わる糖質のみを制限し、筋肉の元になるタンパク質は制限せずにシッカリと摂取するので筋肉量は減らず、基礎代謝が落ちることもないので、リバウンドをしない痩せやすい体になるのです。

人の体に必要な糖質はどれくらいなのか?

 糖質は制限したほうが良い、タンパク質はたくさん摂ったほうが良い、脂質はほどほどに摂りましょう、ということが分ったが、ではどれくらい糖質を摂取すればよいのでしょうか?それには、人の体が何から作られているかを調べてみると見えてきます。

60kgの平均的な体型の成人の体組成は以下の通りだと言われています。

 ・水分62.6%

 ・タンパク質16.4%

 ・脂質15.3%

 ・ミネラル5.7%

 ・糖質1%未満

 体の6割以上が水分で、それ以外はタンパク質と脂質の割合が殆どです。前述した通り、体を作る栄養素だからですね。逆に糖質の割合は1%と非常に少なくなっています。直ぐにエネルギーに変換されて消費されて無くなってしまう特性を持っているからです。太っている人は糖質の割合が多いのです。これらを見ても、人の体を作るには糖質はそれほど必要ではないことが分ります。糖質は必要なカロリーさえ摂取できれば十分なのです。

 健康的な体を維持していくためにも、糖質は、総摂取カロリーのうち50~60%で摂取するのが理想的とされ、残りはタンパク質と脂質から摂取するのが良いとされています。

バランスの良い栄養の摂取が大事なのです。

ちなみに、それぞれの栄養素から作り出されるエネルギーは以下の通りです。

糖質 4kcal/gのエネルギー

タンパク質 4kcal/gのエネルギー

脂質 9kcal/gのエネルギー

糖質と炭水化物と食物繊維の関係

 巷では、糖質制限がダイエットに有効だということが少しづつ認知されてきたが、栄養学の知識が浅く、糖質と炭水化物と食物繊維の理解がゴチャゴチャで、糖質は炭水化物の一部だから、炭水化物を我慢すれば良いのか~とちょっと間違って理解している人が多いですが、それは違います。

なので、ちょっと整理しておきましょう。

炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものです。

 ※ 炭水化物=糖質+食物繊維

 ご存じの通り、食物繊維をたくさん摂ることで整腸効果を高め、血糖値の上昇を抑え、血液中のコレステロールを下げるなど、ダイエットにも非常に効果的です。痩せやすくなります。食物繊維は、胃や腸で吸収されにくく、エネルギー量も0~2kcal/gとされており、摂り過ぎても太ることはありません。

だから、炭水化物を我慢するのではなく、糖質を制限し、食物繊維は沢山摂ってください。

これは大事なポイントです。

まとめ

まとめると、

カロリー制限ダイエットよりも糖質制限ダイエットの方が有効。

エネルギーに使われず余った「糖質」は確実に体脂肪に変わってしまう。

エネルギーに使われず余った「脂質」は細胞膜や血液やホルモンに使われる。

∴だから脂質制限ダイエットよりも糖質制限ダイエットの方が有効。

 糖質制限ダイエットの効果の高さをお伝えして来ましたが、運動もせず過度な制限だけを長期的に続けているといずれ減量は止まってしまい、健康を損ねる危険性があります。健康的で美しい理想の体を目指すには、やはり栄養バランスの良い食事を摂り、習慣的に運動することが重要なのは言うまでもありません。